三角比を使った問題4

三角比を使った問題4

センター試験のように誘導があれば解きやすい問題も、その誘導がないだけで解きにくくなったりする。記述式の問題などは、どうやって解答にたどり着けばよいか、その過程も考えなくてはならない。

今回の問題は\(AD+D=p\)の最大値を求めよ、というものだ。まずは\(AC\)の長さを求め、\(AD:DC=t:1-t\)であることから\(AD\)と\(DC\)の長さをtを使って表す。

\(AD=p\cdot\frac{t}{t+(1-t)}\)
\(DC=p\cdot\frac{1-t}{t+(1-t)}\)
となっているが、式が少しわかりづらくなっているので例えを一つ。

長さ\(a\)の紐を2:3に分けました。長さはそれぞれいくつでしょう。という問題があったとしたら、\(\frac{2}{5}a\)と\(\frac{3}{5}a\)というように分けられる。簡単に言うと\(\frac{比の値}{各比の和}×全体の長さ\)という式で比で分ける計算をすることが出来る。

\(AD,DC\)の長さを表したら、\(\triangle{ADC}\)について余弦定理を用い、\(p^2=\)〇の形に変形。〇内が分数の形になるので、\(p\)の最大値は分母\(3t^2-3t+1\)が最小になるときである。\(3t^2-3t+1\)を平方完成し最小値を求めれば正解にたどり着く。

さてこの問題を確認のために解いていたら、次のことに気が付いた。

  • \(p\)が最大になるのは\(AD=DC\)となるとき
  • よって\(\triangle{ADC}\)は頂点が\(D\)の二等辺三角形
  • \(\angle{ADC}\)は\(60\)°なので \(\triangle{ADC}\) は正三角形
  • \(p\)の最大値は\(2\sqrt{21}\)

面倒な計算をしなくても解けてしまった。こういったチャンスは意外と多く転がっているかもしれない。

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