幻想

PCR陽性者数推移

2020年の秋頃からでしょうか、マスクが神話になったのは。どこへ行くにも人々はマスクをしています。各務原のイオンに行ってざっと数を数えると、500人のマスクを着用している人に対して、普通の素顔の人は1人しかいません。その結果が現在言われている「第六波」です。明らかにマスクに効果がない証拠です。

しかしながら政府は先日、「二歳以上の子供にはマスク着用を推奨する」という発表を行いました。(*反対が相次ぎすぐに取り消されました)二年近くも人々にマスクを推奨しておいて、効果がなかったからと年齢を引き下げる。次は新生児にもマスクですか?犬や猫のペットにもマスクですか?
これがいい歳した大人の考えです。本当に情けないと、大人の一人として思います。

さて、そんなことに愚痴を言っていても仕方がありませんので、今回は、皆さんに取り憑いている一つの思考について考えました。それは「ウイルスを人に移したらどうしよう」という幻想です。

当塾では勉強に悪影響があるという理由からマスクを推奨していませんが、それでもマスクをつけてくる人もいます。そのこと自体は一向に構わないのですが、話を聞いてみると「もし自分がウイルスを持っていて、それを人に移したら嫌だからマスクをする」という考え方をしている人が少なからずいることが気がかりです。

まず、自分がマスクをしていても、ウイルスの拡散を止めることはできません。それは以下の記事でも述べていますし、現在の状況を見ればマスクに効果がないことは明らかなので割愛します。

そうではなくて、今回は考え方そのものに目を向けたいと思います。果たしてウイルスを人に移すことは本当に悪いことなのか?

人の体内には多くのウイルスや菌がいます。例えば「水痘・帯状疱疹ウイルス」は水ぼうそうのウイルスですが、水ぼうそうが治ってもウイルス自身は体の中にずっといます。普段はおとなしくしていますが、大人になってからも免疫の低下などにより、このウイルスによって帯状疱疹という病気になったりします。頭皮には「マラセチア菌」という菌がいて、こちらも普段はおとなしいのですが、やはり免疫の低下などにより皮膚に炎症が起きたりします。

そんな菌やウイルスが、人の体内に10兆個はいるそうです。10兆と言うと数が多すぎて具体的によくわかりませんが、要するに人は目に見えないウイルスや菌と一緒に暮らしているということです。コロナウイルスも同様です。その辺りにたくさんいるウイルスの一種です。決していなくなることはありません。

なのでまず
「菌やウイルスは決して悪いものではない、自然の一部である。人は彼らと共に暮らしている」
こと、そして
「菌やウイルスを人とやり取りするのは当たり前のこと」
であることを知ってください。

つまり「自分の持っているウイルスを人に移したり移されたりするのは自然の営みの一部であり当たり前のこと。決して悪いことではない」ということです。

コロナ騒動以前から、目に見えない菌やウイルスは悪者扱いされてきました。「除菌除菌」というCMがバンバン流れ、「99%除菌・殺菌」がさも良いことかのように言われています。
しかし、菌やウイルスが自然の一部であることを考えると、除菌は必ずしも良いものとは言えません。

赤ちゃんは、お母さんから免疫の一部を受け継いで生まれてきますが、その効果は3ヶ月ほどでなくなります。それ以降は自分で免疫を高めていかなくてはなりません。赤ちゃんは何でも口に入れますが、そうして菌やウイルスと触れて自分で免疫を高めているのです。もし菌が怖いから…と赤ちゃんを無菌室に閉じ込めておいたらどうなるでしょう。正常な免疫が獲得できず、無菌室から出られなくなってしまいます。
これは赤ちゃんに限った話ではありません。我々は日頃から菌やウイルスと触れ合って、自分の免疫を維持しています。一切菌に触れない環境に1ヶ月もいたら、免疫機構はボロボロになってしまうでしょう。毒性が弱い菌やウイルスは私たちの味方です。人と人とのやり取りでも、菌やウイルスを移し移され、免疫を維持しているのです。
なので、「人にウイルスを移すのは悪いこと」どころか、とても良いことなのです。相手の免疫の維持に寄与しているのですから。

さらに言うと「人にウイルスを移したくないからマスクをする」という思考そのもの、私はこれが多くの日本人に上手く刺さってしまい、コロナ騒動が長引いているものだと思っています。「自分のためより他人のため」という自己犠牲の精神はさも美しいもののように語られますが、決してそんなことはありません。自分を大切にできない人がどうして他人を気遣えるでしょう。自分を犠牲にしてまで周りに合わせる人よりも、自分の意志、考え方、信念、行動、それらによって周りに良い影響の与えられる人の方が魅力的ではないでしょうか。

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