困難は分割せよ、とよく言うが、それは数学の問題にも当てはまる。一度に式を作ろうとする人は多いが、そんなに一発で式が決まるような問題ばかりあるわけではない。問題を細かく分けて、一つ一つについて考えていくべきだ。特に難しめの問題に関しては。
今回の問題では
「合金Aと合金Bを混ぜる予定だった」
部分の式と
「実際に合金Aと合金Bを混ぜ合わせた」
部分の式を考える。
まず「合金Aと合金Bを混ぜる予定だった」部分に関してだが、もともと\(x\)kgの合金Aと\(y\)kgの合金Bを混ぜ合わせる予定だった、と考えるのが自然だろう。そしてその合金に含まれている銅の質量を考える。
合金Aは50%が銅なので、合金A\(x\)kgに含まれている銅の質量は\(\frac{50}{100}x\)kgとなる。同じように合金Bは80%が銅なので、合金B\(y\)kgに含まれる銅の質要は\(\frac{80}{100}y\)kgとなる。
さらに、混ぜ合わせた後の合金について考えると、混ぜ合わせた後の合金の質量は\((x+y)\)kgであり、その60%が銅である予定だった。つまり混ぜ合わせた後は\(\frac{60}{100}(x+y)\)kgの銅が含まれている予定だった、ということだ。
これらのことから、銅の質量に関する式
\(\frac{50}{100}x+\frac{80}{100}y=\frac{60}{100}(x+y)\)
という式が作られる。
つぎに、実際に混ぜ合わせた合金についての式を考える。
合金Aは混ぜる重さを間違えていないので、先ほどと同じ。合金A\(x\)kgに含まれている銅の質量は\(\frac{50}{100}x\)kgである。
合金Bは\(y\)kg混ぜるつもりだったところ\(1\)kg少なく混ぜてしまった、ということは、混ぜたのは\((y-1)\)kgということになる。合金B\((y-1)\)kgの中に含まれている銅の質量は\(\frac{80}{100}(y-1)\)kgということになる。
さらに混ぜ合わせた後の合金の質量は\(x+(y-1)\)kgとなる。(\(=(x+y-1)\)kg)
そして、混ぜ合わせた合金\((x+y-1)\)kgのうち、56%が銅であった、ということなので、混ぜ合わせた合金に含まれている銅の質量は
\(\frac{56}{100}(x+y-1)\)kg
となる。
以上のことから連立方程式を立てられる。読むだけでは理解しづらいと思うので、紙とペンを使って実際に解いてみてほしい。そうすれば、きっと解くことが出来るだろう。