様々な数字の集まり(資料)から、どのような傾向があるか読み解く問題がある。全体的な数値が大きいのか、小さいのか、偏りがどの程度あるのか、あるいはないのか…など、資料をどのように読み解くかという分野にも数学は使われている。
どのような資料なのかを表す方法はいくつかある。その中で、資料の特徴を表す数値(「平均値、中央値、最頻値」・これらをまとめて代表値という)について学ぶ。
問題1
あるテストをA,B,C,D,Eの5人が受けた結果、点数はそれぞれ
A | B | C | D | E |
89 | 65 | 70 | 100 | 80 |
となった。5人の平均点を求めよ
解き方
平均に関しては正負の数の項目でも少し扱ったので、覚えている人も多いだろう。
平均は\(\frac{合計}{人数}\)で求めることが出来た。今回の問題では
\(\frac{89+65+70+100+80}{5}\)
となる。これを計算し
\(80.8\)点
が正解となる。
問題2
あるテストを5人が受け、平均点は90点だった。それぞれの点数は
A | B | C | D | E |
85 | 92 | 88 | 100 | ? |
だったとすると、Eさんの点数は何点だろうか。
解き方
平均点が90点ということは、「全員が90点を取った」ようなものである。つまり、90点を5人が取ったということになり、5人の合計点は
\(90\times5=450点\)
ということが判明する。あとはA~D4人の点数を引く。
\(450-(85+92+88+100)=85\)
となり、Eさんの点数は85点ということになる。
問題3
A,B,C,D,E5人の平均年収は2620万である。各自の年収が
A | B | C | D | E |
200万 | 300万 | 350万 | 1億2000万 | ? |
の場合、Eの年収はいくらだろうか。
解き方
問題2と解き方は同じである。平均年収が2620万なので、A~E5人の年収の合計は
\(2620万\times5=1億3100万\)
である。1億3100万からA~D4人の年収を引くと
1億3100万-(200万+300万+350万+1億2000万)=250万
となり、Eさんの年収は250万となる。表を完成させると
A | B | C | D | E |
200万 | 300万 | 350万 | 1億2000万 | 250万 |
となる。計算すると確かに平均は2620万なのに、なんだか違和感がないだろうか。
平均値は、問題3のように「一つだけものすごく高い」あるいは「一つだけものすごく低い」ものがあるだけで、数値が押し上げられてしまったり、押し下げられてしまったりする。たった一つの飛びぬけたデータがあるだけで、資料の印象が変わってしまうことがあることは、頭に入れておいた方がいい。